今回の話の中心は「生還劇」です。そこにスポットを当てた作品として割り切って観て十分感動できる作品ですが
しかし、それだけの作品ではなかったとも思いました。
私は、O・ストーン「ワールド・トレード・センター」○部作みたいな形で、いつか作られていくのでは?と勝手な推測(期待)をしています。
______(内容に触れますので未見の方は要注意)_______
内容ですが
「瓦礫に埋もれる」ということが、どれほど恐ろしいことかよくわかる
実に生々しく、鬼気迫る作品でした。
そして、こういう事態は、
イラク戦争絡みでも、北朝鮮絡みでも
今後日本で起きる可能性が十分にある「他人事でない」話である、と心すべきだと思いました。
単なる「生還劇」というだけでない、と先に書いたのは
そういうことなのです。
こういうことが起きる可能性がある。だから備えよ。考えよ。
ということです。
(日本の場合、地震などの自然災害でも起きることだしね)
さて、この作品には
実は、ポリティカルな論議を呼ぶ場面があります。
瓦礫に埋もれた警察官たちを救いに、一人の元海兵隊員が、遠く離れた田舎からNY目指してやってくるのですが
彼が被災地へ向かうきっかけを得たのはキリスト教の教会で祈りを捧げていた時です。
彼はそこで「救いに行け」という神の声を聞いたというのです。
そして彼は一人NYへと向かいます。
そして、エンディングのテロップでは
この海兵隊員はこの後イラク戦争に参加した、ということが語られます。
それに関してO・ストーンは
「事実を描いた映画なので、(イスラム世界を)挑発しているつもりはない」
と語っている。
また以前に彼は
ブッシュが大統領になったらアメリカ国内でテロが起きる、と言い
イラク戦争にも反対の立場なので、彼の言ったとおり、
「事実を描いた」ということだろうと思います。
この作品は
言わば「キリスト教世界」側からのみ9.11テロを描いています。
「イスラム世界」からのアプローチはゼロです。
そういう意味では
「偏った」描き方がなされているとの見方もできる作品です。
だからと言って、バランスを取るために海兵隊員に関する事実を伏せたりすれば、
それこそ作品全体の意図を損なってしまうでしょう。
何より、
「こういう皮肉なことが起きるのだ」という事実をありのままに提示し
それを受け止めることこそ大切だという監督のメッセージであると私は思いました。
命を救いに行った者が、命を奪いに出かけて行くことになるのですから。
なんたる皮肉!!
死と復讐の連鎖。
監督は、イラク戦争反対の立場でありながら
エンディングでの海兵隊員の後日談を否定的には語りませんでした。
事実、誰もが諦めていた警察官たちの命を救ったのは、彼以外にいない訳ですから、
その英雄的な行為そのものに対しては敬意を評さざるをえないし、それを否定したり、汚すようなメッセージを添えることは憚られたという理由もあるでしょうが、
O・ストーン監督が言いたかったのは
ただ事実を提示する。この事実に関して、この現実に対して
みんな考えてくれ、ということだったのでは、と私は解釈しました。
しかし、それだけの作品ではなかったとも思いました。
私は、O・ストーン「ワールド・トレード・センター」○部作みたいな形で、いつか作られていくのでは?と勝手な推測(期待)をしています。
______(内容に触れますので未見の方は要注意)_______
内容ですが
「瓦礫に埋もれる」ということが、どれほど恐ろしいことかよくわかる
実に生々しく、鬼気迫る作品でした。
そして、こういう事態は、
イラク戦争絡みでも、北朝鮮絡みでも
今後日本で起きる可能性が十分にある「他人事でない」話である、と心すべきだと思いました。
単なる「生還劇」というだけでない、と先に書いたのは
そういうことなのです。
こういうことが起きる可能性がある。だから備えよ。考えよ。
ということです。
(日本の場合、地震などの自然災害でも起きることだしね)
さて、この作品には
実は、ポリティカルな論議を呼ぶ場面があります。
瓦礫に埋もれた警察官たちを救いに、一人の元海兵隊員が、遠く離れた田舎からNY目指してやってくるのですが
彼が被災地へ向かうきっかけを得たのはキリスト教の教会で祈りを捧げていた時です。
彼はそこで「救いに行け」という神の声を聞いたというのです。
そして彼は一人NYへと向かいます。
そして、エンディングのテロップでは
この海兵隊員はこの後イラク戦争に参加した、ということが語られます。
それに関してO・ストーンは
「事実を描いた映画なので、(イスラム世界を)挑発しているつもりはない」
と語っている。
また以前に彼は
ブッシュが大統領になったらアメリカ国内でテロが起きる、と言い
イラク戦争にも反対の立場なので、彼の言ったとおり、
「事実を描いた」ということだろうと思います。
この作品は
言わば「キリスト教世界」側からのみ9.11テロを描いています。
「イスラム世界」からのアプローチはゼロです。
そういう意味では
「偏った」描き方がなされているとの見方もできる作品です。
だからと言って、バランスを取るために海兵隊員に関する事実を伏せたりすれば、
それこそ作品全体の意図を損なってしまうでしょう。
何より、
「こういう皮肉なことが起きるのだ」という事実をありのままに提示し
それを受け止めることこそ大切だという監督のメッセージであると私は思いました。
命を救いに行った者が、命を奪いに出かけて行くことになるのですから。
なんたる皮肉!!
死と復讐の連鎖。
監督は、イラク戦争反対の立場でありながら
エンディングでの海兵隊員の後日談を否定的には語りませんでした。
事実、誰もが諦めていた警察官たちの命を救ったのは、彼以外にいない訳ですから、
その英雄的な行為そのものに対しては敬意を評さざるをえないし、それを否定したり、汚すようなメッセージを添えることは憚られたという理由もあるでしょうが、
O・ストーン監督が言いたかったのは
ただ事実を提示する。この事実に関して、この現実に対して
みんな考えてくれ、ということだったのでは、と私は解釈しました。
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