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いやー、忙しい。
早くアップしなければ、と思いつつ、何週間か過ぎてしまった件について書きます。
今回は肩のこらない話題でひとつ。
今月初旬に観た映画について。
気に入ったもの、気になったものについて書いてみます。

まずは、気に入ったもの。
「夜のピクニック」です。
もうそろそろ上映も終るので、DVDが出たらぜひ観てほしい作品です。
恩田陸の原作は「第二回本屋大賞」に選ばれた佳作。
映画の方は、
ギャグ的なシーンが滑っていた点を除けば、実にじんわり心温まる良品に仕上がっていました。
今の時代からすると、ちょっと「健全すぎる」かもしれないが、鑑賞後幸福感に浸れる作品でした。

テレビや映画みたいな「青春」にあこがれながら、あと一歩が踏み出せず、
「結局、あんまり何にもなかったね。でも、みんなと一緒にいられて、楽しかった…」
高校時代を振り返れば、そんなちょっぴり後悔の混じった、どこか自分を納得させるしかないような不完全燃焼な「想い」を抱えている、大多数の人達が(と勝手に決めてますが)感情移入できる映画だったのではないでしょうか。

しばらく忘れていた「センチメンタル」な気分にさせてくれる小さな宝物のような時間を過ごすことができて、しばらく映画の余韻に浸ることができました。

行列の前へ行ったり後ろへ行ったりの加藤ローサの弟クン(どこかで見たぞ、と思ったら「ラストサムライ」の子役だ!)の存在が面白く、そしてリアルでした。
もし『夜行祭』があれば、自分もあんなことしそうな気がした。

ハチャメチャで真っ直ぐすぎるロックマニアな彼の、ワザとらしいギャグの描写は滑りがちでしたが、
現実からハミ出しがちの彼の妄想世界をよく表わしていたとも思いました。
そういうキャラは普通、閑話休題、にぎやかし、といった役割だけで終っていくのですが、
この作品では意外と重要な役割を演じていました。
端っこの方にいる者も含めて、登場人物たちが微妙に絡みあって影響しあい、そして本当に幸せなゴールへと転がり込んでいく展開は実に見事でした。

「あんなヤツいたいた」と思わせるキャラもいれば、フィクションならではのキャラもいて、
なんとなく自分に似た立ち位置を、誰もが見つけられ、誰もが感情移入できる映画だったのではないでしょうか。

『夜行祭』という根本のアイディアがすばらしいですよね。
1000人の高校生がテクテク歩く姿は、それだけでスペクタクルで、美しくて
実に絵になる、映画的とも言える、すばらしいアイディアです。恩田陸さんのアイディア、そしてそれを見事に映像化したスタッフには感謝です。


それにしてもこの映画、全然当たっていないようです
というか、そんな映画知らないという人が多いでしょう。
テレビスポットCMはゼロだ。
配給は松竹。
ちょろっと出ていた加藤ローサ以外はほとんど顔なじみのない若手俳優を揃えた、原作のイメージに結構忠実なキャスティングらしいが、
はっきり言って「ノースター」ムービー。
これでは売るのが難しい。
「第二回本屋大賞」のバリューだけに頼った宣伝というより、これでヒット狙ってますというようなことは考えてない、
何と言っていいか、「作りっぱなし」という配給側の姿勢が気になる。
せっかくいい映画作ったのに、これでは作品や制作に関わった人たちがかわいそうだ。
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